「畠山重忠(三)」全館揃いました。。

豪族同士の争いを調停するなど、鎌倉政権の体制確立にも尽力する重忠。しかし、頼朝の死を境にして、御家人たちの力関係は大きく変化し、心ならずも新たな権力抗争に巻き込まれる。一方、袂を分かったはずの左近は:。武士としてのそして人間としてのあり方を問う一作、ここに完結!

畠山重忠(四) 

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「畠山重忠(三)」刊行しました。

後白河法皇の「毒を以て毒を制す」策謀は結局は騒乱を誘発するだけではないか、との疑問を抱いた傀儡子の左近は、平家側にある神器を奪還することで戦争終結させることを企てる。一方の重忠は武士の道理に基づく政を目指す頼朝に共感するも、弟である義経までも排除しようとする冷徹さには違和感も覚えるが:。変革期に苦悩する男たちのの姿は:。

畠山重忠(三)」https://bccks.jp/bccks/151467

 

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「畠山重忠(二)」刊行しました。

変革に対する受け止め方の違いから父と子が敵味方に分かれて:。木曽義仲との宇治川の戦い。平家の拠点である福原攻防戦。激動の嵐の中、重忠の重忠たるゆえんはどのように発揮されていくのか。

 

畠山重忠(二)」

http:// https://bccks.jp/bcck/151394/info

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「畠山重忠」単行本化

皆様にご愛顧頂きました「畠山重忠」はこの度、単行本化しました。

 

畠山重忠(一)
https://bccks.jp/bcck/151173/info

源平合戦鎌倉幕府創業の時代を生き抜いた名将の生涯を綴り、日本人の倫理観の原点を問う!全四巻。一巻では、重忠の少年時代、青春期そして中世社会の幕開けとなった頼朝挙兵にどのように対応していくかを描く。


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フェイスブック
https://www.facebook.com/michito.kikuchi?ref=tn_tnmn

総合ブログ
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菊池道人

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畠山重忠・後書き

ご高覧への御礼を兼ねて

 

 かつては鎌倉街道といわれた道がある。
横浜市戸塚区内の筆者宅からさほど遠くない所にも通っている。日常的に歩く道でもある。
 この物語の主人公・畠山重忠もあの日、この道を通って鎌倉に向かうはずであった。
 あくまでも、この道をいつも通りに:。それが最期に当たっての意志であった。

今から十年近く前のことであろうか。自宅から歩いて約一時間、山を一つ越えたくらいの場所にある二俣川の古戦場近くを歩きながら、いつの日か、重忠を主人公にした小説を描いてみようと思い立った。そして、その時の漠然としていた思いは歳月を重ねるうちに強いものとなり、いつしか使命感、義務感に近いものになっていた。
 拍車をかけた理由。それは近年の出版界の傾向と筆者の考え方が全く噛み合わないことであった。無理にこちらから歩み寄ろうとしても、結果が伴わず、自分を見失うだけであった。
 そのような時、物語の最後に出て来た、「さかさ矢竹」伝説に励まされた。
「我が心正しければ、この矢に枝葉を生じ、繁茂せよ」
矢を地に突き刺しながら残した重忠最期の言葉。矢は竹となって、今でも横浜市旭区鶴ヶ峰の地に生えている。
 「吾妻鏡」にも「鎌倉遺文」にも載っていない伝説の世界でのこの言葉こそが今の自分に必要なのだ、と意を固めた。自分の思い通りに書く、という初心、原点に立ち返ることが出来たのであった。
 それを具現化する手段として、ネット上での発表を選んだ。
 これについては賛否両論あるかと思うが、敢えて批判には怯まない覚悟も決めた。
 伝達の手段は何であれ、心を伝えることこそが肝心なのだ。
 吉田松陰勝海舟が師と仰いだ幕末の洋学者・佐久間象山「東洋の道徳、西洋の技術」、早稲田大学野球部の飛田穂洲初代監督「戦術技術は新しく、精神は古く」を道しるべに歩みを進めた。そして、早大歴史文学ロマンの会の先輩で平成27年2月に58歳の若さで逝去された作家・火坂雅志氏が文壇デビュー以前に出版社勤務の傍らに文学修行を続けていた頃、筆者も含めた当時の在校生たちに贈った「サークルも文学も辞めたらその時点で最後」とのコメントも力強く心に蘇ってきた。

 筆者にとっての何よりの僥倖はオリーブニュースという気骨と寛容の精神に富んだ電子新聞を発表の場とすることが叶ったことであった。同誌には厚く御礼申し上げる。
 ただ、いささかの懸念材料を変則的な形での完結になった事情説明とともに申し添えると、同誌の新着記事公開 が今年に入ってからほとんど行われず、本作も今年3月現在、昨年12月に公開の250回 までとなっていることである。
 結局、他日の公開を期して最終回まで同誌への投稿は続けながらも、筆者が管理運営するブログ「歴史小説パーク」にて、一足先に完結という形をやむを得ずにとらせて頂いた次第である。
 筆者は同誌編集部の事情等の詳細については知り得る立場ではないが、状況への対応に至らぬ点があり、読者諸兄姉にはご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫び申し上げなければならない。
 そして、 IT社会、言論界の健全なる発展のためにも、オリーブニュースの一日も早いなおかつより強化充実されての活動再開を心から願う次第である。

それにしても、IT普及による出版形態の変化、多様化を物語の背景となった王朝政治から武家政治への変転に重ね合わせ、様々な思いが浮かんでくる。その他にも、現代の社会や人間模様を彷彿させる場面も少なからずあり、そうしたことも折に触れ、語りたい気もするが、何を置いても、本作をご高覧くださった諸兄姉には、心から御礼申し上げる次第である。
 
平成29年春分
  菊池道人

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畠山重忠・主要参考文献

主要参考文献

★史料
平家物語」「源平盛衰記」「源平闘諍録」「吾妻鏡」「玉葉」「義経記」「明月記」
「鎌倉遺文」「梁塵秘抄」「愚管抄」「保暦間記」「御室相承記」「承久記」「百錬抄
曽我物語」「法然上人絵伝」「武蔵七党系図」「伊乱記」「万川集海」「新編武蔵風土記稿」「今昔物語集」「傀儡子記」「古今著聞集」

★研究書
畠山重忠貫達人 吉川弘文館
「シリーズ・中世武士の研究・第七巻 畠山重忠」清水亮他 戎光祥出版
「武蔵武士」渡辺世祐 八代国治 有峰書店
「武蔵武将伝」稲垣史生 歴史図書社
秩父氏の盛衰 畠山重忠と葛西清重」埼玉県立武蔵嵐山史跡の博物館 葛飾区郷土と天文の博物館編 勉誠出版
「動乱の東国史2 東国武士団と鎌倉幕府」高橋一樹 吉川弘文館
「武蔵武士団」関幸彦 吉川弘文館
吾妻鏡必携」関幸彦 野口実編 吉川弘文館
「鎌倉武士の実像 合戦と暮らしのおきて」石井進 平凡社
「鎌倉の豪族Ⅰ」野口実 かまくら春秋社
鎌倉幕府と東国」岡田清一 続群書類従完成会
「中世武家の作法」二木謙一 吉川弘文館
「古文書の語る日本史3鎌倉」安田元久編 筑摩書房
「改訂 郷土史事典11 埼玉県」木村進 秋葉一男編 昌平社
「改訂 郷土史事典14 神奈川県」稲葉博編 昌平社
「平泉 北方王国の夢」斎藤利男 講談社
「日本の合戦一 源平の盛衰」桑田忠親編 新人物往来社
「海と水軍の日本史・上」佐藤和夫 原書房
「人物日本の歴史4武士の挑戦」高橋富雄他 小学館
「人物日本の歴史5源平の確執」和歌森太郎他 小学館
「週刊 新発見!日本史06鎌倉時代1」川合康編 朝日新聞出版
「日本の歴史09頼朝の天下草創」山本幸司 講談社
源平合戦の虚像を剥ぐ」 川合康 講談社
源義経の合戦と戦略」 菱沼一憲  角川書店

源義経元木泰雄 吉川弘文館

鎌倉幕府成立史の研究」川合康 校倉書房

義経伝説」高橋富雄 中央公論社
「伊豆水軍物語」永岡治 中央公論社
「相模のもののふたち」永井路子 有隣堂
「鎌倉源氏三代記」永井晋 吉川弘文館
鎌倉幕府の転換点」 永井晋 日本放送出版協会
「動物のことば入門」ウルリッヒ・クレバー 増井光子監修 林進訳 どうぶつ社
「斎藤別当実盛伝」奈良原春作 さきたま出版会
白拍子静御前」森本繁 新人物往来社
熊谷直実高橋修 吉川弘文館
北条義時」 安田元久 吉川弘文館
梶原景時 知られざる鎌倉武士の本体 」梶原等 新人物往来社
法然」大橋俊雄 講談社
「日本仏教史」辻善之助 岩波書店
「文覚上人一代記」相原精次  青蛙房
「平家後抄」 角田文衛 講談社
三重県の歴史」山川出版社
「日本中世都市の世界」網野義彦 講談社
「荘園」永原慶二 吉川弘文館
「続々日宋貿易の研究」森克己 国書刊行会
「丹生の研究 歴史地理学から見た日本の水銀」松田寿男 早稲田大学出版部
「古代の朱」松田寿男 学生社
後鳥羽院政の展開と儀礼」谷昇 思文閣出版
「日本仏家人名辞書」鷲尾順経 東京美術
「遊民の系譜 ユーラシアの漂泊者たち」杉山二郎 青土社
「サンカの起源 ククツの発生から朝鮮半島へ」筒井功 河出書房新社
「忍者のすべて」 歴史読本臨時増刊 新人物往来社
「呪術」別冊歴史読本 新人物往来社

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畠山重忠287(作:菊池道人)<最終回>

 さて、その後の話にもう少しだけ触れて、この物語を結びたいと思う。
 先ず秀子であるが、一時は出世欲に目がくらみ、若い命を奪おうとしたことを懺悔して落飾、さる尼寺に入った。
 識之助は郷里の伊賀服部にて、忍びの術をさらに極めた上で後進を導いていった。伊賀の人々は識之助の技も含め、日本固有、外来を問わずあらゆる技術を集大成して、伊賀流忍術を創り上げた。
 室町時代から戦国期にかけて数多くの伊賀流忍者が大名たちの情報収集、諜報活動などに暗躍したが、徳川家康を助けたことで知られる服部半蔵は識之助が少年時代に仕えていた服部家長の子孫であると伝えられている。
 
 そして、左近のことである。
 重忠の戦没と平賀朝雅事件の数年後、武蔵国荏原郷に社を創り、義時から拝領した重忠の守本尊であった仏像を祀った。
 周囲の村人たちに素性を聞かれれば、重忠ゆかりの者とだけ話し、それ以上は具体的なことに触れなかった。 人々は、おそらくは畠山家郎党であったのであろう、と左近について噂していた。
 件の社は現在は東京都目黒区碑文谷にある碑文谷八幡宮である。
 神社の由緒には、畠山重忠の家臣、宮野左近という者がこの地に創建したと伝わっている。
 
非情なる時の流れにも触れなければならない。
 重忠とともに鎌倉政権創業の功臣であった和田義盛も北条氏に粛清された。
 三代将軍実朝は鶴岡八幡宮にて頼家の遺児すなわち甥の公暁に暗殺された。その公暁も三浦義村に討たれた。
 朝廷への政権奪還を目指して兵を挙げるも鎌倉方に敗れた後鳥羽上皇隠岐に流された承久の乱の少し後のことであるが、左近は重忠最期の地、鶴ヶ峰を訪れた。
 すでに十六年の歳月が流れ、もはやあの日のことは忘れられたかのように静かな川の畔。
 真っすぐに伸びた竹が生えていた。このまま天まで届いても、真っすぐなままであるかのようだ。
「まるであの男のようだ」
左近は一人呟いた。そして、意を決した。
(この近くを終の棲家としよう)
すでに齢六十半ばを過ぎた左近はさすがに足の衰えを痛感し、旅に生きることはもう無理だと悟っていた。
 やがて、重忠最期の地に程近い丘に庵を結んだ左近は、仁和寺で静遍からもらった母親ゆかりの琵琶を弾きながら、近隣の村人たちに物語を聞かせてやった。
 老若男女を問わずに好評を博し、生活の糧となる米や野菜などを恵んでくれる人もいたが、この時期から世間に流行りだした琵琶法師による「平曲」もしくは「平家物語」と呼ばれる話が、栄華を誇った平家がやがて滅亡するまでを描いていたのとはいささか異なった話をしていた。
 左近のお決まりは、伊勢三郎の悪党話に義経が平泉から蝦夷ヶ島さらには粛真(ロシア極東)へ渡った話、そして畠山重忠のことである。
 ある人が左近の話を聞き取り、それも参考にして書物にしたという。
 題して「畠山物語」。
 現在、この書の存在を指摘する史家はいるが、現物が確認されたという話を筆者は知らないので、もしご存知の方がいらっしゃればご教示頂きたい。
また、その聞き取りが行われた庵のある場所の地名は現在では横浜市旭区左近山となっているが、件の語り部との関連を示唆するような伝承の類も聞いたことがないので、取りあえずは単なる偶然ということにしておこう。
ただ、左近が、重忠のようだ、と呟いたその竹は今も残っている。
 重忠がその最期に矢を立て、「我が心正しければ、この矢に枝葉を生じ繁茂せよ」と言い残したという話も伝わっている。
風にそよぎながらも、その竹は心ある人々に伝え続けている。
 畠山重忠の心を:。(完)

作:菊池道人 http://www5e.biglobe.ne.jp/~manabi/3.htm

本作はオリーブニュース http://www.olivenews.net/v3/ にも掲載しております。

本作を初めてご覧になられる方はこちらをhttp://historynovel.hatenablog.com/archive/2014

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